自国で受けるよりも高度の治療や特別な手術を望む人たちを対象にする医療ツアービジネスが、東南アジア地域で新たな展開を見せ始めた。同ビジネスに積極的なシンガポールの病院グループは、自国での外国人客の取り込みだけでなく、最新装置を備えた病院をインドや中国などに建設し、現地での顧客獲得を狙う。一方、欧米からの医療ツアーの目的地として人気が高いタイでは、超高級ホテル並みの施設を用意、ロシアやカザフスタン、中東などの高所得者層の取り込みに力を入れる。
シンガポール政府は、医療ツアーを観光事業振興の有力な手段と位置づけ、2012年に年100万人のツアー客受け入れを目指している。同観光庁によると、08年に同国を訪れた医療ツアーの人数は付き添いを含め約64万6000人(前年比13・3%増)。売上高は19億シンガポールドル(約1230億円)に上る。国別ではインドネシア、マレーシアからが多く、中国、インド、ベトナム、ミャンマーやカンボジアなどが続く。
シンガポールでは、高度な医療サービスを提供できる医療機関に与えられる「JCI認証」の取得を積極的に進めてきた。同認証は米国の非政府団体(NGO)のJCIが医療水準だけでなく病院設備や職員の対応などを総合的に判断し、基準を満たした医療機関に与えられる。
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