「ナイアガラは18世紀の要塞(ようさい)の様子を知るには最高の場所だろう」。AP通信は要塞の管理を務めたことのある米ミシガン大学の図書館研究員の言葉をこう伝えた。18世紀半ばにイギリスが北米大陸での植民地戦争に勝利してフランスから奪い取った「ナイアガラ要塞」のことだ。それからこの夏で250年の節目を迎え、現地では当時の様子を再現する記念行事が行われた。
17世紀に入って欧州各国は北米大陸に植民や交易に本格的に乗り出し、現在のアメリカの北東部はイギリスとオランダ、南東部はスペイン、北部と西部辺境はフランスが支配するというおおまかな図式ができた。ナイアガラが焦点となったのは、互いに勢力を拡大しようとしたイギリスとフランスの間で1755年に始まり、1763年に終わった「フレンチ・インディアン戦争」である。
まぎらわしい名称だが、「インディアン」と呼ばれた北米大陸の先住民族とフランスが同盟を組み、これとイギリスが戦うという戦争だった。欧州では折から列強間で七年戦争が始まり、イギリスとフランスは敵同士となった。北米大陸での戦争はその代理戦争とも位置づけられている。当初は仏軍が有利だったが、七年戦争を機に英軍は本国からの応援を受けて反撃に転じ、勝利した。
戦争の直接の目的はオハイオ川の支配にあり、欧州での戦争とは関係なく植民地で始まった欧州各国間の戦争としては最初といわれる。北米大陸のみならず欧州にとってもその後の歴史に影響を与えるのだが、それもこの戦争に敗れたフランスが戦後処理で北米大陸からほぼ全面的に撤退するという事態になり、北米の植民地支配でイギリスの優位が決定的になったことが大きい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090711-00000519-san-int
